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7年目、新しい出会い

アジアカップを制し、日本に帰った僕は23歳の誕生日を迎えた。
日本ではこの時期、もはや恒例となった雑誌の取材やテレビ出演、CM撮影などでハードな日々が続いたが、それでもサッカー漬けの日々から少し解放された僕はつかの間のオフを楽しんでいた。

そろそろマンチェスターに戻ろうと考えていた頃、ニーランディッチさんから連絡が入った。なんでも僕に新しい代理人を紹介したいらしい。

70_03.jpg「すみません。僕もあなたの活躍で契約の話が増えましてね。いろいろと忙しくなってしまって。」

ていうかあんたいつもこの時期しか出てこないじゃんかっ!( ゚д゚ )
まぁいいけど。

ニーランディッチさんによると、その人は世界最高の代理人の一人で、今後の僕のサッカー人生に必ずいい影響をもたらしてくれるという。マンチェスターに戻ったらロンドンの彼の事務所を訪ねてほしいということだった。

僕はマンチェスターに戻った翌日、早速ロンドンに向かった。
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ロンドンで聞いた衝撃の事実

僕はニーランディッチさんに言われて、世界最高の代理人と契約するため、ロンドンの彼の事務所に向かった。ビジネス街の大きなビルの一室、窓からは遠くにロンドンアイが見える、とっても高そうな事務所だった。

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「よぉー、待たせたな!お前か!?俺と契約したいっていうマンチェスターのエースってのは。なんだ、軟弱なツラしてやがんなぁ!」
彼は大雑把にドアを開け、僕の前のソファーにドスン!と腰を下ろした。

なっ!なんて高圧的なっ!(((;゚Д゚))))

168_02.jpg

この人はコックローリーさん。ロンドンに事務所を構え、数多くのトッププレイヤーたちと契約をしている、世界でも1、2を争う最高の代理人らしい。

168_03.jpg「お前、俺と契約したいんだって?俺は高ぇぞ!?お前に俺の給料払えんのか!?」

ちょっ…。この人大丈夫?しかもなんで僕が契約したいってことになってるのか…。僕はニーランディッチさんに言われただけなのに…。ニーランディッチさんは、人脈、交渉、選手のケアまで最高の代理人だなんて言ってたけど…。交渉って…むりやりイエスって言わせてるだけなんじゃ…。
でも話によるとキエッリーニさんもこの人と契約してるって言うし…。帰ったらキエッリーニさんにどんな人なのか聞いてみようか…。

168_03.jpg「まぁでも、俺と契約すればお前の人生も安泰だ。で?どこに移籍したいんだ?バルサか?レアルか?それともインテルとかか?俺に任せとけばどこだって格別なオファーを結んでやるぜ?」

いやいや、ちょっと待って。
僕は今季もユナイテッドでプレーしたい意向をしどろもどろになりながら伝えた。

168_03.jpg「なんだよ?移籍しないのか?じゃあなんで俺んとこ来たんだよ!まぁ、それはそれでいいけどよ。でもあれだな、ユナイテッドも今季は大変だな。スコールズとベルバトフは今季限りで引退だろ?キエッリーニも突然ユベントスに戻るなんて言うから、昨日あわてて俺がむこうに飛んで移籍話まとめてきたんだよ。ヨーロッパNo1のユナイテッドも今季はなかなかうまくいかねぇんじゃねえか?」

…。

ん?
今、なんと??(・´з`・)

168_03.jpg「いや、だから去年みたいに今季はうまくいかないんじゃないかって…。」

違う!その前!(゚д゚)!
引退ってなに?移籍ってなに??

168_03.jpg「なんだお前聞いてなかったのか?今、代理人たちの間でもなかなかのトピックスになってるぜ?」

聞いてない聞いてない!
キャプテンなのに聞いてない!
いくらなんでもそれはウソだね~!はいウソ~!絶対ウソ~!!

168_03.jpg「俺に言ってもしょうがねぇだろ!ホントだよ!ウソだと思うなら自分で確かめてこいよ!」

ちょっとまって、ホントなの?
僕はコックローリーさんとの話もそこそこに、大慌てでロンドンからマンチェスターに戻った。
うそでしょ!?僕キャプテンなのに!?


さよならキエッリーニさん

僕はコックローリーさんにまさかの身内話を聞かされて、いてもたってもいられず、マンチェスターに戻ったその足でクラブハウスに向かった。

クラブハウスは真っ暗だったが、その中でロッカールームだけぽつんと電気がついていた。僕はまさかと思いながら部屋に入ると、そこにはキエッリーニさんの背中が見えた。よく見ると自分の荷物を整理している。
僕の気配に気づいた彼が、ゆっくりと振り返り、僕に向かって笑顔を見せた。

「よぉ、キャプテン。どうした、こんな時間に。いつ日本からこっちに戻ってきたんだ?ん?なんだ、真っ青な顔して。」

キッ、キエッリーニさん…。ユベントスに戻るって…。僕は事の真意を確かめようとおそるおそる聞いてみた。

「あぁ、そうなんだ。俺ももうそろそろ引退に向けてキャリアを考えないといけないと思ってな。地元のイタリアでサッカーを満喫しようと思ったんだ。まさか古巣に戻れると思ってなかったけど、代理人がうまく動いてくれたんだよ。」

やっぱり、コックローリーさんの言ってた事は本当だったんだ。でもキエッリーニさんがいなくなったら、ユナイテッドのDFラインはどうなっちゃうんだろう…。

「そんな顔するなよ。俺は去年一年、お前とプレーできて最高だったよ。プレミアも優勝したし、ビックイヤーもとれたしな。最高の一年だった。お前にはいろいろと世話になったな。」

そんなことない。むしろいろんな場面で僕を、いやチームを助けてくれたのはキエッリーニさんの方だった。感謝の言葉はたくさんあるのに、僕は突然の事すぎて何も言えなかった。

「大丈夫だ。今年もお前が去年の年のようにこのクラブを引っ張っていけばいいんだよ。
そしていつかその時が来たら、お前もイタリアに来い。セリエAにはプレミアとは違う魅力がたくさんある。別にユーベじゃなくってもいいさ。きっとお前をより成長させてくれるチームはたくさんあるはずだ。」

キエッリーニさんはそう言って僕を諭した。でも僕はまだ心のどこかで信じられずにいた。キエッリーニさんはスコールズとベルバトフについても話してくれた。

「あの2人もいろいろ考えての決断だろう。昨日ファギーも含めてGMと話していたよ。まぁ今年1年はまだいる訳だから、最後にあの2人からもいろいろ学んでおけよ。」

そう言って、キエッリーニさんは帰る支度を整えた。やっぱり2人の引退話も本当だったんだ。

「じゃあな。頑張れよ。イタリアで応援してるから。もしかしたらまたどっかで対戦する可能性もあるかもしれないからな。そのときは覚悟しとけよ。」

僕は彼と固い握手を交わした。先生、ありがとう!本当にありがとう!!

「あと、最後に一つだけいいかな?キャプテン。」

ん?なにか?

「その髪型、似合ってないぞ。」

えっ?(((;゚Д゚))))

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