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勝負の2年目、骨太の改革へ

試練の2年目スタートがもう、目の前に迫っていた。
僕は日本に里帰りしたが、いても立ってもいられなくなり、結局1週間でブリストルの街に戻ってきた。


帰国中もチームのことが頭から離れなかった。
開幕から低迷し、結局ほぼ年間通して残留争いという、ふがいない結果に終わった1年目。
チームの会長であるじいさんは、1年目ではなかなか結果は出ないと励ましてくれたが、
半ば強引とはいえ、せっかく監督デビューの道を作ってくれたじいさんにも恩返しがしたかった。


じゃあこのチームを立て直すにはどうすればいいか。
シーズンが終了してから今までずっと、考えても考えても、結局最後は同じ結論にたどり着いた。


「改革…しかないな…。」



240_01.jpg「ん?何かおっしゃいましたか?」

来季の打ち合わせでたまたま監督室に来ていたジェルピンスキが振り返った。

260_01.jpg


「やっぱり、改革するなら今しかないと思うんです。余剰人員の整理とそれに伴う選手の補強と放出。1年間選手たちを見てきて、今のままでは今季を乗り切れない。」

240_01.jpg「そうですね…。分かりました。それでもきっと改革に乗り出せばいろいろ波風が立つと思いますが…。選手たちにも動揺が広がらなければいいのですが…。」

「それでもチームもためにやるしかありません。痛みなくして改革なしですよ。」

僕は何年か前に流行った、日本の政治家の言葉を口にした。その後日本経済はたいして良くなってないが…。

240_01.jpg「分かりました。やりましょう!私は監督の意見に従いますよ。まずはどこから手をつけましょう?」

勝負の2年目、こうして僕とジェルピンスキの
「ブリストルユナイテッド、骨太の改革」が始まった!
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改革スタート、チームに流れる不穏な空気

僕とジェルピンスキによってはじまった、「骨太の改革」。
まずは新加入の選手を発掘する前に、現状のチームを整理するところから始めた。

261_01.jpg

新シーズンが始まり、リーベルマンをはじめとした6選手がチームを離れた。
昨シーズンまでで契約が満了となった選手の中で、クラブは上記6選手との契約を更新しなかった。

2年前、下部リーグからチャンピオンシップへ昇格した際に貢献した選手たちで、会長のじいさんには少し渋られたが、プレミア昇格を狙う今のチームで、残念ながら僕の中では構想外だった。

さらにはGKヨルゲノフとザレツキ、DFのストリーマーとバウマン、MFのマッコとファン デン ベルフ、スタインの7選手を一気に移籍リストに入れた。

本当であれば、1年間の長いシーズン、ある程度サブの選手も含めて戦っていきたいというのが本音だが、もともと田舎の小さなクラブチーム。
余剰戦力を十分に抱えられるほど資金に余裕がある訳でもなかった。

どこかのチームが興味を示し、移籍金が入るのを期待しているが、もしなければ清算前の放出も視野に入れての移籍リスト入りだった。

ただ、これによって一気にチーム内に不穏な空気が漂った。

240_01.jpg「監督!ストリーマーが監督にどうしても話があるそうです。おそらく先日の移籍リスト入りの件でしょう…。やはり選手たちに動揺が広がっているようですね…。」

261_02.jpg

ジェルピンスキの言う通り、選手をむやみに動揺させるわけにはいかないが、それでも勝てるチームを作るためだと自分に言い聞かせた。

ただし、選手を放出してばかりではチームは弱くなるばかり。僕はジェルピンスキと今度はいよいよ新加入選手の獲得に向けて動き出した。
新シーズンを迎える前にやらなきゃいけないことはまだまだたくさんあった。


新シーズンへ向けて、大波乱の補強会議

在籍選手たちの大量の移籍リスト入りで、ここ2、3日不穏な空気が流れていたチームだったが、
ジェルピンスキをはじめ、チームのスタッフが色々とフォローしてくれて、
今のところ大きな騒動にはなっていない。

そして僕は彼らと、新しいシーズンに向けての補強の会議に臨んだ。
とはいっても大型補強ができる予算があるはずもなく、僕たちはまず、他クラブで契約満了となった選手をフリートランスファーで獲得できないか調査をした。

240_01.jpg「監督、まずはDFの獲得は必須だと思います。しっかりと後ろからチームを支えられる経験値の高い選手を獲得すべきです。」

ジェルピンスキはそう言って、スカウトのトミルグラート(初登場!)に話を促した。トミルグラートは僕に移籍選手のリストを差し出した。

scaut_1.jpg「スレイマン・ディアムティーヌ。アフリカ、マリ代表の29歳です。彼はセリエAのレッチェと契約を更新する意思はないようで、今ならフリートランスファーで獲得できます。」

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scaut_1.jpg「経験も豊富ですし、彼ならうちのチームのDFラインをしっかり統率してくれると思います。イタリアのトップリーグでやっていた彼が、降格ぎりぎりの2部チームに来てくれるか分かりませんが、イタリアでもローン移籍でセリエBのチームにいたこともあるますし、獲得を打診すべきだと思います。」

迷う余地もない。僕はすぐに獲得のためのアポを取るようにトミルグラートに伝えた。

240_01.jpg「あとは攻撃陣のテコ入れをどうするかですが…。」

いや、僕はまだ守備陣のさらなる補強を狙っていた。

「サイドバックはどうですか?」

現状チームのスタメンは昨シーズンキャプテンも務めたエル ムバルキとラスキンの両サイドバック。二人とももちろん良くやってくれているが、攻撃も守備も今ひとつだ。特にうちのチームはサイドを主体に攻撃を組み立てるチームだけに、サイドバックにかかる比重は大きい。

scaut_1.jpg「サイドバックですか?そうですね。今リストに上がっている中で獲得交渉の余地があるのはこの2選手でしょうか。」

1人目は、またしてもイタリアセリエA、キエーヴォ・ヴェローナに所属するボヤン・ヨキッチ。

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scaut_1.jpg「彼の能力は今のチームには申し分ないでしょう。サイドバックだけでなくサイドハーフもこなせる選手ですので、左サイドはウィッテンガムとコンビを組ませれば攻撃にも厚みが出ると思います。さらに彼はクラブとの契約更新を保留しています。今ならフリートランスファーで獲得できます。」

2人目は同じチャンピオンシップに所属するカーディフの右サイドバック、ポール・クイン。

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scaut_1.jpg「彼の能力も折り紙付きです。強靭なフィジカルを生かした守備と、強力なプレイスキックが武器です。セットプレーの幅も広がりそうですね。クラブではポジション争いが熾烈なようですから、獲得の打診をすれば、彼は動くかもしれません。ただし彼の獲得には40万ポンドほどの移籍金がかかります。今の我がチームの資金の現状を考えると、獲得は難しいかもしれませんね。」

「…。」

240_01.jpg「いかがです?監督。今回はヨキッチを獲得する方向で動いてみては。右サイドはキャプテンのムバルキに今季も任せた方が…。」

「…、二人とも獲得できませんか?」

240_01.jpgscaut_1.jpg「なっ!?」

scaut_1.jpg「ほっ、本気ですか?監督!確かにオファーはかけられますが、いまの現状を考えたら、DFの補強だけで、もうひとつの問題の攻撃陣の補強はかなり難しくなります!40万ポンド程度とはいえ、今のクラブには大きな支出です!会長にも相談しないと…。」

「会長には僕から話します。いいディフェンダーを育てるには時間がかかります。うちのチームの中で将来性の感じられる選手は正直言ってパルミエーリくらいでしょう?だったら外から連れてくるしかない。特に優秀なサイドバックはどのチームも常に人材不足です。2人とも今のブリストルユナイテッドに必要な人材です。」

scaut_1.jpg「し、しかし…。」

トミルグラートと、ジェルピンスキの顔が曇る。
沈黙が広がる会議室に、

「ちっ、会長の孫が、何様だ…。」

と、誰が発したか分からない小さな声が聞こえた…。

どうやら不穏な空気はスタッフたちにも広がっているようだった。

僕は聞こえないふりをして、
「お願いします。キエーヴォと、カーディフの両クラブに獲得の打診をしてください。」
と頭を下げた。

トミルグラートが小さなため息をひとつ漏らし、

scaut_1.jpg「分かりました。ただし連絡は会長の許可がおりてからにさせてください。それにクインの方は、クラブが手放すかは分かりませんよ。」

そう言って、書類をまとめ、席を立つ。
それを見た他のスタッフもそれぞれ席を立とうとした。

「ちょっと待って下さい。」

僕はスタッフ達に声をかけた。

「まだ攻撃陣の補強についての話が終わっていません。」

240_01.jpg「なっ!?まだ選手を獲得するつもりですか!?」

僕の骨太の改革は、まだまだ終わっていなかった。




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