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厳しい現実、最初の決断

「この選手はどうですか?レンタルなら交渉の余地はあるかもしれません。」

「いや、それならこの選手はどうだ?全盛期はすぎてるかもしれんが…。」

会議室では活発にクラブの首脳陣が意見を言い合っていた。

アンデルレヒトとの練習試合は完敗だった…。

ブリストルユナイテッドは、現状のメンバーを総合的に見て判断し、4-5-1のシステムで、試合に臨んだ。

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しかし、試合は前半から相手にペースを握られ、前半に一点、さらに後半にも追加点を許した。

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こちらも、トップ下のエトリを中心に時折いい形をみせるも、ゴールを割るには至らず、結局0-2という結果に終わった…。

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この結果を受け、緊急の会議が開かれている。
シーズン前に補強した方がいいのかどうかというのが議題だ。

240_01.jpg「監督、どうですか?気になる選手は…。」

補強リストを見ながら僕は迷っていた。
練習試合を見る限り、うちにも、伸びしろのある選手たちが何人かはいる。そいつらの出場機会を奪って、外から選手を引っ張ってくるやり方が本当にいいのだろうか…。

だが、現状のチーム力では、長い一年を戦えないのも事実だ。だったら…。

「彼がいいんじゃないですか?」
僕はそう言ってリストにあった名前を指差した。

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240_01.jpgカールトンコールですか!」
ジェルピンスキが驚いて言った。

うちのチームには、まず、攻撃の柱になるFWが必要だ。ましてや中盤に人数を割く1トップならますますFWの重要性は高い。
そこで、僕はリストアップされた選手の中から今季、2部降格したウェストハムのカールトンコールに目を付けた。彼は決して若い選手ではないが、まだまだ実力不足のうちのチームにスピリットをもたらし、チームを引っ張っていってくれるはず。そしてなにより、うちの選手たちにはない経験値がある。そして高さも魅力的だった。

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240_01.jpg「どうやら、チームではポジション争いが激しく、出場機会に恵まれていないようですね。いかがですか?会長。」

じいさんは、ちらっと僕の方を見ると、何も言わずに頷いた。
どうやら選手の補強に関しては、僕に一任してくれるようだ。


240_01.jpg「わかりました。すぐにウエストハムに連絡をとってください。」
ジェルピンスキはスカウトにそう言った。

240_01.jpg「監督、今日はこれからユースのグラウンドに行きましょう。まだ荒削りな選手が多いですが、もしかしたら監督のお眼鏡にかなう選手がいるかも知れません」

僕は彼と二人、会議室を出てユースチームのグラウンドに向かった。
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初練習の日

いよいよ、2011-2012シーズンも本格的に始動する初練習の日がやってきた。

僕たちブリストルユナイテッドは、今季からイングランドの2部に位置する、フットボールリーグ・チャンピオンシップを戦い、もちろんプレミアリーグ昇格を狙う。

そんなチームの選手たちとの初顔合わせ。練習のメニューもきっちり考えてきたし、なにより最初が肝心だ。

240_01.jpg「選手たちはもうグラウンドでアップを始めています。さぁ、監督、グラウンドへ参りましょう。」

僕は、ジェルピンスキとともに、クラブハウスの隣のグラウンドにやってきた。ドキドキと心臓が高鳴った。

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すでに選手たちはトレーニングを開始していた。彼らはちらっと僕の方を目配せするだけで、体を休めることはなく黙々と体を動かしていた。


240_01.jpg「ピッ!集合!! 今シーズンから我がブリストルユナイテッドの指揮を取ることになったtamuuuuud監督だ!今日から監督のもと、新しいシーズンに挑む。みんながんばろう!」

選手たちからパラパラと乾いた拍手の音が響いた。
僕のことを歓迎しているのかいないのか。まだよくわからない。(;´Д`)

240_01.jpg「じゃあ、監督、一言。」

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シーン…。

ちょっ!静か…。ヤバイキンチョースル…。

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「オホン!ブリストルユナイテッドを強いチームにしよう。私はそのために全力を…ん?」

「ヒソヒソ、ヒソヒソ」

ん?なんだ?人が喋ってるときに…。

「ヒソヒソ、監督、会長の孫らしいぜ。今日食堂のおばちゃんが話してたぞ。」
「まじかよ。ヒソヒソ、明らかにコネじゃねーか。終わったなこのチーム。」


ちょっ!バレてる…。
僕はあわててジェルピンスキの方を見た。

240_01.jpg「ん?なにか?」

「…。なんでもありません…。」(*´Д`)

くそ。あいつ言ったな?食堂のおばちゃんに…。
確かにコネかもしれないけど、ただ俺の方から監督やりたいって言ったわけじゃねーぞ!

240_01.jpg「さぁ!監督!来週はアンデルレヒトとの練習試合があります!
チームの現状を見るいい機会です!もちろん練習試合とはいえ勝つつもりで臨みましょう!」

そうだ。落ち込んでる場合じゃない。このチームをしっかり成長させられるように早く選手たちとコミュニケーション取れるようにしないと。

こうして、僕たちブリストルユナイテッドの新シーズンはスタートした。


ドキドキの就任記者会見

240_01.jpg「監督、就任会見お疲れ様でした。なかなか堂々とした
会見でしたよ。」

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監督室へ戻ると、ジェルピンスキは笑顔でそう言った。


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初めての記者会見は緊張の連続だった。いくら今季からの昇格チームとは言え、イングランド2部の小さなクラブに、こんなに人が集まるとは思わなかった。ほとんどが地元の記者だったそうだ。

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緊張で会見の内容はあまり覚えてない。(; ̄O ̄)
ただ、やっぱりアジア人監督、それも30そこそこの若い監督というのは珍しいらしく、いろいろと質問も投げかけられた。
ブリストルに来た感想はどうか?
今季参戦するチャンピオンシップでは、同じブリストルを本拠地とする、ブリストルシティとのダービーもあるが?
など、中には地元記者らしい質問もいくつか飛んだ。

240_01.jpg「会長も、満足気でしたね。」


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まったく、あのじいさんは、会見中も、イングランドのサッカーに旋風を巻き起こすとか、ダービーはすべて勝つとか、無責任なことばっかり言いやがって…。こっちの気も知らないで…。


240_01.jpg「明日からは選手が合流して、クラブでキャンプを行う予定です。いよいよ、初練習が始まりますね。選手のリストは先日渡していると思います。まぁ全員の特徴を把握するのは難しいと思いますが、せめて顔と名前と背番号ぐらいは頭に入れといてくださいね。」

「分かりました。」
と、言いながら、僕は選手のリストに目をやった。

果たして、彼らはどんな選手たちなのか、紙ペラの情報だけでは分からないところもある。明日からの練習が楽しみだ。

240_01.jpg「それでは失礼します。」

ジェルピンスキは軽く頭を下げ、退室しようとしたが…。

240_01.jpg「あ、そうそう、今クラブのスタッフで、もっぱらのウワサですよ。監督と会長の関係。会長はどうやって監督を日本から呼び寄せたのかって、食堂のおばちゃんまで話してましたよ。
会長とは、どういうご関係なんです?」

ギクーッ!( ;´Д`)
やっぱり来たか…。いつか誰かに突っ込まれると思ってたけど…。

しょうがない…。隠してたって、いつかバレるし…。でも、いいづらい…。


「………ゴニョゴニョ。」


240_01.jpg「ん?なんですか?」


「………ゴニョゴニョ…ご…、です……。」


240_01.jpg「…。ん?すいません、よく聞きとれなくて。」




「まっ、…孫…です…。(;´Д`A」



240_01.jpgなっ、なにー!!((((;゚Д゚)))))))
かっ、会長のお孫さんなんですか!?えーっ、そうなんですか!いやー、それはそれは…そうかそうか…、ハハハハ…。」


ジェルピンスキは引きつった顔のまま、監督室の扉を閉めた。

すると、しばらくして

「ハァーッ…。」

と、ドアの向こうから大きなため息が、聞こえてきた…。


とにもかくにも…、こうして、僕の監督人生のホイッスルが鳴った。

やっぱり、言うんじゃなかった…。orz


[ 2012/05/20 ] プロローグ | TB(0) | CM(20)


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